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第83期将棋名人戦七番勝負第4局で立会人を務める谷川浩司十七世名人(中央)。左隣は、弟子で副立会人の都成竜馬七段=2025年5月18日午前8時42分、大分県宇佐市の宇佐神宮

 大分県宇佐市で17、18日に指された第83期将棋名人戦七番勝負第4局は、挑戦者の永瀬拓矢九段(32)が藤井聡太名人(22)に逆転勝ちして、シリーズ成績を1勝3敗とした。この対局の立会人を務めたのは谷川浩司十七世名人(63)。藤井名人に破られるまで最年少名人の記録(21歳2カ月)を約40年、保持し続けた永世名人だ。「名人戦では6年ぶりの千日手」「難解な終盤戦」など見どころ満載となった一戦を振り返ってもらった。

 1日目。後手番の永瀬九段が「△3三金型角換わり」を採用。第2局ではなかなか指さなかった△8五歩を第4局では早々に突くなど違いはあるが、第2局と似た将棋になった。しかし、まだ中盤だった午後5時3分に千日手が成立した。

 「千日手になる少し前、藤井名人はガックリした感じに見えました。(先手番での千日手は)作戦失敗を明らかに認めること。しかも、自分の方が時間をかなり多く使ったにもかかわらず、永瀬九段に千日手に逃げられてしまいました」。ただし、「『この局面になった以上は千日手を選ぶのが最善』と判断し、無理を通そうとしたり、意地を張ろうとしたりしなかったのは、藤井名人らしい冷静な判断だったかも」とも。

 逆に、永瀬九段の心境を「『…

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